人生の最終段階
終活、大きな話題になりましたよね。
エンディングノートといって
人生の最終段階に向けて、
準備をしたり、必要な情報をまとめたりするノートも知られるようになりました。
市販のものだけでなく、
インターネットでダウンロードできるものもあり、
手に取ってみた方や使ってみた方も多いかもしれません。
相続や葬儀、手続き関係など
いざという時に必要な情報を書き込んだり、
自分の大切にしているものや思い出の写真など、
”自分史”をつづるページがあったり、
内容はものによってそれぞれです。
その中で、医療についてのページも
(おそらくほとんどのものに)あるようです。
最近は、管にたくさんつながれて死ぬのは嫌だな、
と思う人も増えてきているようです。
ただ、医療関係者でない方が、
いよいよ具合が悪くなった時に具体的にはどんなことが起こるのか
元気な時から想定して、意思表示をするのは難しいのではないか、と思うことがあります。
ちょうど今月(2018年3月)、国(厚生労働省)が作っている
「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」
というものが改訂されました。
「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」の改訂について |報道発表資料|厚生労働省
長い名前で、いかにもとっつきにくいですね!
(ちなみに、終末期医療、という言い方はやめにして、
人生の最終段階、という言葉が選ばれています。)
中身はいったいどんなに長くて複雑で難解なものか、
と身構えてしまいますが、実はそんなに長くありませんでした。
(実質:本文2ページ、解説付きで6ページ)
1 病院だけではなく、在宅医療・介護の現場でも話し合おう
2 本人の意思は変化するものだから、人生の最終段階について日頃から繰り返し話し合うACP*が大切
3 自分の意思を伝えられなくなる前に、自分の気持ちを代弁してくれる信頼できる人を決めよう
4 単身世帯(私を含め 笑)が増えるので、依頼する相手は親しい友人など、家族以外でもOK
5 話し合った内容は文書にして、本人、家族、サポートチームで共有しよう
*ACP:Advance care planning、人生の最終段階の医療・ケアについて、本人が家族等や医療・ケアチームと事前に繰り返し話し合うプロセス
ACPで話し合うべき具体的な中身を決めている、というものではなく、
こうした話し合いをする時の心構えを書いているものですね。
私個人としては、少なくとも介護保険を申請/更新するときに、
一度こういった意思の確認の機会を設けるべきではないかな、と感じています。
将来的には介護保険を使う時には必須にしてもいいのでは、とすら思っています。
体調に変化があった、
病気が見つかった、
介護が必要になった、
家族構成が変わった、 等をきっかけに、
ぜひ一度将来について、身近な方と話してみてください。
私の家族にも、
少しでも長くいきたい、
将来の技術の進歩できっと永遠の命に近いことが可能になるはずだから、
もし死んだとしても、すぐ冷凍保存して、将来復活できるようにしてほしい
というタイプもいますし、
ちょっとでも見込みのなさそうな病気がみつかったら、
一切積極的治療はやめて、自然に身を任せたい
というタイプもいます。
この二人が、事前の話し合いの機会がないまま、
お互いの「人生の最終段階」の意思決定を任されたら、
とんでもない悲劇が起こりそうですよね。
では、どんなことを具体的に話し合うべきか、
どんな背景知識があれば、意思決定に役立つかについて、
今後ご紹介したいと思います。