もしもの時の119番

朝起きて、いつものようにおじいちゃんを起こしに行くと、

声をかけても返事がない。

ゆすっても反応しない・・・息をしてない!

 

どうしようどうしよう、、、、

とりあえず、救急車だ!119番!!

 

 

この後、どんなことが起きるか、

想像つきますか?

 

 

 

救急隊がやってきて、呼吸と脈を確認して、

もしもすでに”死の徴候”があれば、不搬送となります。

(つまり、もう亡くなってしまってから時間がたっているので、

 医療的にはなにもできることがないので、救急搬送しない。)

 

ただ、救急隊員が明らかに死の徴候がある、と判断できるケースは多くなく、

そうでなければ、すぐさま”心臓マッサージ(胸骨圧迫)”が始まります。

”人工呼吸”の代わりに、マスクで酸素を送り、

受け入れ病院を探して急行します。

 

この間、胸骨圧迫は休みなく行われます。

救急隊によっては、胸骨圧迫を行う専用の機械を持っていて、

ガシャコン、ガシャコンと胸を圧迫しながら、運ばれることもあります。

資格があれば、直ちに点滴を取ります。

 

病院についたら、モニターにつないで、

胸骨圧迫、マスク換気を続けながら

検査をしたり、情報収集をしたりと状況の把握を行います。

 

場合によっては、この間に

気管挿管”といって、ノドに酸素を送るための管を入れてしまうこともあります。

 

そうして、”電気ショック”や薬を使いながら、

治療を試みます。

 

こうして、無事息を吹き返す方もいますが、

その確率はどのくらいでしょうか?

 

a) 病院に運んだんだから、全員!

b) 半々くらい・・・2人に1人

c) 病院でもむずかしいのかな、10人に1人?

 

 

正解は・・・

どれも不正解!

 

70歳以上では心肺停止状態で救急搬送された人のうち、

倒れた瞬間の目撃者がいて、70~79歳の男性、

が最も1か月後の生存率が高く、7.7%。

 

目撃者がいない場合や女性、もっと高齢の方では、

更に蘇生できる確率は低くなってしまいます。

 

社会復帰できる確率がさらに低くなるのは言うまでもありません。

 

 

今回は、心肺停止で救急車を呼んだその後を

簡単に紹介しました。

次回はこうした救急搬送に関して問題になっていることを

検討してみたいと思います。